タイトルだけでなんだか面倒臭そうだなとお気づきになられているかもしれませんがプリパラ&プリチャンのライブに関するとても面倒臭い長文です。

去年12月のライブに参加した時にすぐ感想書こうと思ってたんだけど、どうしてもネガティブなものになってしまうので迷って結局書かなかった。最近はエゴサで関係者が"いいね"してプレッシャーかけてくることも多いからね……というのは言い訳で面倒だっただけ。でも今月のライブでやっぱ書こうかなとやる気が再燃したのでまとめて書く。

まず前回のライブの話。

この日記を見ている人のほとんどはまずプリパラというコンテンツ自体をよく知らないだろうから説明すると、プリティシリーズのアニメは2011年『プリティーリズム』に端を発し、2014年に新シリーズ『プリパラ』へ移行、ここからavex所属のアイドル&声優ユニット・i☆Risを主人公達の声優として起用しライブ活動に力を入れていく。2017年に世界観を同じとする『アイドルタイム プリパラ』に引継いだものの、アイドルタイム~の方は1年で終わってしまい、2018年からはまた世界観とキャラクターを一新した『キラッとプリ☆チャン』が始まった。
アイドルタイム~の一年での終了が当初から予定されていたものなのか商業的な理由による方向転換なのかは解らないが、ともかく『プリパラ』シリーズは一区切りつき『プリチャン』に生まれ変わったのである。

で、プリチャン一年目である去年12月にライブが行われたものの単独でこなすには曲数が足りないので『プリパラ&プリチャン』として引き続きプリパラのキャストも参加することになった。二つの作品のライブが楽しめる、それは良いことだと思った。
ライブが始まる前は。

まずはプリチャンのOP・EDを担当するRGRとわ~すたが登場。RGRは新人とはいえi☆Risと同じavex所属の三人組でしっかりトレーニングしているのだろう、同様にわ~すたもアイドルとして活動しているので問題なく素晴らしいステージを披露してくれた。
"問題なく"……じゃあ以降の曲は問題あったのか?あったのだ。個人的には、だが。
06.ぷりっとぱ~ふぇくと / みれぃ(芹澤優)
07.太陽のflare sherbet / そふぃ(久保田未夢)
08.絶対生命final show女 / シオン(山北早紀)
09.GOスト♭コースター / みちる(山田唯菜)
10.あっちゃこっちゃゲーム / にの(大地葉)
11.チクタク・Magicaる・アイドルタイム! / ゆい(伊達朱里紗)
12.Miss.プリオネア / しゅうか(朝日奈丸佳)
13.純・アモーレ・愛 / ひびき(斎賀みつき)
「うは~神曲ばかりでござルネッサンスw」プリパラオタクならそう言いたくなるセットリストにも関わらず、実際のライブ中ではここらへんから「(今回のライブはあまり良いものにならないかも)」という不安が芽生え始めた。演者たちが観客席を周回する"トロッコ"に乗り始めたからだ。

プリパラのライブの魅力とは何か?
近年キャラクターが歌って踊るアニメやゲームが増えると共に、ライブでそれと同じ光景を声優たちが重ねて見せてくれるというのは珍しくなくなってきた。その中でもプリパラは演者をavex所属の声優で揃え、トレーニングを積ませスケジュールを抑え、満足度の高いライブを見せてくれた。これこそがプリパラのライブの魅力であり、多くの人が足を運ぶ理由だと思っている。
しかしシーズンが進むにつれてキャラクターが増え、自前の声優以外も増えると綻びが生じ始めた。
A.完璧に踊って歌わせる
B.振り付けを少し簡略化して踊らせる
C.踊りは諦めて歌だけ
avex所属の声優にはAを、スケジュールを抑えられる若手はBを、練習させるのが難しい人気声優・ベテラン声優はCを……そんな感じで振り分け始めた。
例えば、斎賀みつきが演じる"ひびき"はアニメ内ではトップアイドルであり非常に激しいダンスを披露するがベテラン声優として演技力や歌唱力は高いものの"アイドル"として活動をしてこなかった斎賀みつきがそのダンスを再現するのは厳しい。しかしバックダンサーたちが完璧に踊りその中心に斎賀みつきが立って歌うという形もそれはそれで絵になっていた。このように踊れないメンバーも工夫で乗り切ってきた。

そこで今回はトロッコ、というわけだ。本来トロッコは客席の間を走ることでステージから遠い席でも演者との近さを感じてもらえるよう使われていたものだと思うのだが近年のライブではそれが悪用され始めたように感じる。トロッコに乗ってる限りは歌いながら手を振りさえすればいい、踊る必要はないからだ。しかしそれはステージ上でのパフォーマンスを放棄することでありプリパラの魅力を失うことでもあるのだ。何故こうなってしまったか。単純に人数が多すぎるからだろうか?邪推すると、終わってしまった『プリパラ』の声優たちを今更ミッチリ鍛え上げて踊れるようにしても……というのもあったのかもしれない。そんな考えが頭をよぎるぐらい今回は"手抜き"だと感じてしまった。

勿論、しっかり踊ってくれた演者もいる。特にWITH――プリパラ内では唯一の男性アイドルグループで、以前のライブからダイナミックなダンスは高く評価され、今回もまたそれを披露してくれた。救われた気分にすらなった。それだけにそのWITHの後、i☆RisやRGRといったavex直属の声優たちがトロッコに乗って出てきた時の失望も大きかったが。「トロッコに乗るな!」と心の中で何度も叫んだがそれはおそらく彼女達に届かなかったろう。声に出さなかったし。そして「あ!今回はトロッコに乗らない!」と思った時もステージのせり上がりを利用してステージを狭め、踊れない状況を意図的に作り出したり――演出の一つひとつを誤魔化しに使ってくるように感じてしまった。

とはいえ失望のまま終わったわけではない。
プリパラ伝説のアイドル"セインツ"(初期プリティシリーズの主人公達)がシークレットとして登場し作中で歌われた曲が4年越しにライブで聴けたり、合唱曲を今回参加した全員で歌ったり、そのライブならではの特別感と満足感もあった。何より『プリパラ(アイドルタイム含む)』単独でのライブツアーの発表だ。長々と書いてきた"トロッコなど演出での誤魔化しが多い"に加え"シリーズが長引き人数が増えて聴けない曲が増えた"という不満もあったので(これは多くのコンテンツで起きている問題だが)全12公演!かつ参加人数を絞った構成、舞浜アンフィシアターやZEPP系などトロッコの使えない小さい箱でやるという発表に今回の不満点は解消されるかも、という小さな希望を抱きながら帰路についた。

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予断だが毎年末のライブの合間に行われる告知コーナーは来年以降のシリーズの展開の初出し情報でもあり「このシリーズもそろそろ終わりかも……」と不安になっているファンたちは静まり返って見守るのだが、今回はステージ上のディスプレイに大きな扉が映し出され、そこから2011からのプリティシリーズのロゴが飛び出し、2018のプリチャンまで出たところでその扉が閉まる………………
しかし扉は再び開いて「プリチャン第二シーズン決定!」という演出。タカラトミーよ、俺たちの心を弄んで楽しいか?

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さて今回2/9・10に行われたライブの話。"終わったコンテンツ"『プリパラ』及び『アイドルタイム プリパラ』だけでのライブである。会場の舞浜アンフィシアターは小さ目の会場ながら段差の付いた客席が半円のステージを取り巻くように設置されており非常に見やすい&ステージを近くに感じられるお気に入りの会場だ。何より素晴らしいのは、流石にここじゃトロッコは使えないだろうことだ。
ちなみに今回はライブだけでなくバラエティコーナーや朗読劇なども加えたファン向けの色が強い構成。ライブだけやってほしいという人は多いと思うし、今まではそれを反映するかのようにライブばかりだったのだが、バラエティは演者たちの作品に対する想いが見られるし、朗読劇は終わったその後の世界観を生きているキャラクター達のお話が聞けるのでファンとしては凄く嬉しい。(プリパラを知らなくとも"コンテンツが終わる"ことの悲しみを知っているオタクならこの気持ちが伝わると信じたい)

さてライブステージだが、期待通りステージ上でしっかり踊ってくれて大満足――序盤は。中盤、ステージ上に中々演者が現れないなと思ったら客席に登場したのだ。まあほら、手を伸ばせば届きそうな位置に声優が現れて、みんな大喜びしてるからね……トロッコとは違うんだ……そう誤魔化す俺の心を嘲笑うかのようにトロッコが現れた時はもうね。舞浜アンフィシアターで!?もはや意地で使ってるとしか思えないよ……
しかしそれ以外に不満はない。全体としてはしっかり歌って踊ることに関して望んだ以上のパフォーマンスを見せてくれた。また新曲が4曲もあったのは大きい。放送時には望まれながら存在しなかった組み合わせの楽曲の補填もあったし、単純に曲が増えたことで"終わったコンテンツ"ではなく"まだ続いているコンテンツ"だと思えた。

プリティシリーズのメインコンテンツはあくまで現在放送中のプリチャンであり、今回のようなプリパラ単独としてのコンテンツ扱いはいつ終わってもおかしくない――というか続いている方がおかしいのだ。しかし同様に一度終わったコンテンツでありながら復活し別のコンテンツとして生きているキンプリシリーズの成功があってプリパラもまたチャンスを与えられているのかなとも思う。一度その奇跡を見てしまっている以上、二つ目の奇跡を夢見てしまうのもまた人間のSaGa。
プリチャンの"前作"扱いではないプリパラだけでの再コンテンツ化――前作を引きずりながら長々と続き"肥大化"することで輝きを失うのではなく、プリチャン・プリパラ・キンプリなどプリティシリーズ全てが成功し無限に輝く巨大コンテンツへの発展――というのは夢を見すぎ、妄想しすぎかもしれないが、ともかくタカラトミー及びavexがそれを目指してくれるのならば、供給があるのならば俺はまだ戦える。今後も応援していきたいと思う。

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