Wake Up, Girls!

2014年1月19日 ポエム
こちらではお久しぶりです。

去年は3回しかDN更新しなかったんですね。
twitterで満足してしまい、正直もう時間・労力を割いてでも長文書きたくなるほどの意欲は湧かないかな、これが老いるってことかな、とか思ってました。

思ってましたが、湧いてきました。

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・Wake Up,Girls! 劇場版及び1~2話を見ての雑感

ぼちぼち話題になっているWUGについて書こうと思います。

元々俺はヤマカンが演出したハルヒのライブシーンが好きな事、それと不器用であれ自分の作りたい作品を作るヤマカンのクリエーター気質も嫌いではないので、そのヤマカンが作るアイドルアニメということでWUGは楽しみにしていました。

で、実際WUGはどうだったかというと想像以上でした。
特に気に入った、気になった事を箇条書きしていきます。

・キャラクター
「キャラの区別がつかない」という意見が多く見られますが、確かに記号的な要素を排除しているようで解りにくいですね。また、名前の読みを声優にあわせているため「真夢(まゆ)」と「未夕(みゆ)」、「菜々美(ななみ)」と「実波(みなみ)」なども混乱しやすい。

ただキャラの中身は結構しっかりキャラ分けされてるというか、いいバランスだと思いますね。
応募してきた素人組の藍里、菜々美、夏夜、社長がスカウトした芸能組の佳乃、実波、マネージャーの松田が捕まえてきた(というか捕まった)メイド喫茶で働いてる未夕、そして元I-1センターの真夢。参加した経緯で、それぞれの立ち居地がなんとなく想像できる。ここは解りやすい。

キャラと声優の名前を同じにし、シンクロさせてフィードバックさせるというのは凄く面白いと思います。
パンフレットのヤマカンインタビューでの「アイドルアニメのライブでファンを見ていると、キャストの名前で呼ぶのか、役名で呼ぶのか、悩まれる人が結構います」というあたりなんか俺は正にその通りで、ラブライブのライブでステージ上のキャストに呼びかける時、「一番好きなキャラクターの『エリー!』と叫ぼうかな?でも絵里がそこに立っているワケじゃないからな。じゃあ絵里の中の人の名前である『ヨシノー!』と叫べばいいのか?でも声優として一番好きなのはみもりんだしな……」なんて迷う事がありました。
二次元のキャラクターと三次元のキャストに主従の関係を作らず、虚実混合させる。これはアイドルオタクであるヤマカンならではの配慮というか"解"している試みだと思いますね。

・パンチラの是非
一番話題になったのはコレですかね。実際、ラブライブは意図的に排除してましたし、アイドルアニメでパンチラというのは引っかかる人が多いと思います。

一応、物語としては
 社長が資金を持ち逃げし、衣装代も無い
→とりあえずそれぞれの制服を着てくるが、直前に見せパン無い事に気づく
→松田が買ってこようとするが「いいんじゃない?ここまできたら出し惜しみ無しでいこうよ」
という流れを劇場版でやっていて、素人感、必死感を出そうという演出の意図もあるのかもしれませんが、それだけだったら本当にチラ見せでよく、あまり露骨に見せる必要はないですよね。

じゃあ何故、露骨にパンチラさせたか?
「パンチラで喜ぶと思ってんだろ」これは見当違いなんですよね。むしろ逆で。
「アイドルアニメでパンチラやるなよ」これはある意味正しい反応。こういう意見を言う人は女の子達を応援したい側の人間、もう既に作品に対し少し肯定的な人間ですから。そういう肯定的な人達にこそ、ヤマカンは本来喜ばしいはずのパンチラを「見たくなかったもの」「嫌なもの」として見せたかったんだと思います。そして何でもアリの方向性も提示した。このアニメは、お前らアニオタが好きなお約束を平気で外すアニメだぞ、と。

「パンチラを見て泣くのが目標だった」ヤマカンはtwitterでこんなことを言っていました。これ以上は察する事しかできませんが・・・大げさな言い方になりますが、ヤマカンはパンチラが持つ意味を変えたかったんだと思います。受け取り方は人それぞれで、単純に嫌悪感を持つ人や、ヤマカンのそういう意図も含めて否定したい、ヤマカンが仕掛けたゲームに乗るつもりはない、という人もいるでしょう。
でも物議を醸したという点では完全にヤマカンの狙い通りになったし、これこそフラクタルから一貫してる、ヤマカンが描きたかったものではないかと思います。

・劇場版同時公開というアプローチ
劇場版の内容がどうだったかは、面白いです見てください、としか書けませんが。

公式としては「前日譚の劇場版を見ず、TV放送からでも楽しめる」という触れ込みですが、興味ある人は絶対に劇場版を見た方がいいです。途中から見たら楽しめないアニメなんてむしろ少ないですからね。WUGも楽しめなくはない、というだけ。それぐらいプロローグとしては完成されていますし、物語への没入度が変わってきます。

今からでも3回に分けて放送するべきではないか?という意見もありますが、1時間の映画としての完成度も高いので、できるなら1時間SPの方がいいでしょうね。また、この映画館という狭い間口を用意したことで多くの客を逃したのでは?という意見もありますし、実際そう思いますが、個人的にはその間口の狭さが結果的に良かったです。
何故なら凄く面白いからです。
面白いのに見た人が少ないというのは「勿体無い」と感じる反面、「俺(含む少数)だけがその面白さを知っている」という優越感も持たせます。これはAKBが確立させた「俺だけは○○ちゃんのこと解ってる」感を煽り金を出させる手法と同じものだと思うのです。みんなが知っていてはダメで、俺だけが見つけた輝きで、でもそれをみんなに知ってほしい、葛藤を乗り越えて伝える使命感に必死になる、それがまた面白いのです。

日記やtwitterでたびたび書いていますが、他人にモノを勧めるのには恐怖が伴います。
だけどそれを乗り越えた時に、人は覚悟を得ます。剣と鎧を持った時に人は戦士になるのではないように、アイドル声優オタクもサイリウムとシャツを持てばファンになれるのではない。覚悟を持つことで始めて戦士として、信者として戦うことができるのです。

俺を見れば解ると思いますが、こういう必死なオタが既に生まれ始めています。というか正直、アイドル企画のスタートとしてはもう十二分以上の人が興味を持っていると思います。この少数の信者作りが意図した所かは解りませんし、この作品は確実に売れる!という保障はできませんが、売れてもおかしくないアニメだとは思っています。

・真夢は処女か?
処女厨としてはこれも一応触れておきましょうか。

主人公の真夢は元国民的アイドルグループ『I-1』のセンターでありながら、センター転落後にグループを追い出された経緯があります。
その理由は何か?モデルがAKBである事から「恋愛絡みではないか?」という推測がされていますね。またヤマカンはフラクタルという"前科"があり、「WUGはフラクタルと同じ事をやっている」らしいので真夢が男と付き合っていた非処女という可能性は十二分にあります。むしろ処女性が重視されるアイドルモノだからこそその衝撃、その効果は×-GUNです。

アイドルオタク側でもあるヤマカンがそこまでやるか?他のスタッフが止めるんじゃないか?前述したように声優とキャラクターを重ねてるのに、そこまで声優に重荷を背負わせるか?
という考えもありますが・・・
ヤマカンにまだブレーキが残ってるなら処女、完全に壊れてるなら非処女。
それが俺の現時点での見解です。

俺はある程度覚悟はしているつもりなんですが、2話でヒロイン達が下衆な営業させられる所で結構ショック受けたというか、あれも劇場版を見てキャラクターに愛着を持った人ほど辛い描写ですよね。作中で未夕ちゃんが言う通り「覚悟が足りなかった」のかもしれませんが、これがどん底ではなく、これからも視聴者に覚悟を強制してくる描写はあると考えた方がよいかもしれません。

とりあえず処女厨の俺は処女力高そうな佳乃ちゃんを応援しようと思います。

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ここからはWUGあまり関係ない俺の自論混じりになるんですが。

今年1発目に見た映画はWUGではなく『ヨヨとネネ』っていうufotableが作ったアニメなんですが、見た直後に「面白かったけど、今のオタクにはウケないだろうな」と直感的に思って、じゃあなんでウケないのか?と自分で分析した結果が「今のオタクというかネットでの主流層は『お約束』など安心できるものを好み、そこから外れるもの、個性を嫌うから」なんですよね。
とにかく「俺が見たかったものとは違う」と拒絶され、叩きまで発展してしまう事が多い。

俺が好きな漫画の『ゲームクリエイター列伝』のバイオハザードを作った男たち編で、安易な続編や似たようなゲームが連発され、それにシラけたユーザーの気持ちを聞いてショックを受けた三上真司が「大ヒットしなくていい。"一見の価値アリ"、そんな人の心に残るゲームを作れ」という上司の言葉に感銘を受け、"一見の価値アリ"、「他のゲームとは違う」という主張を持ったゲームを作ろう、みんなが甘口ゲームを好むなら、俺はビールのように一口目はニガい、でも一度飲んだらやめられない、そんな作品をつくろうと意気込むくだりが特に好きなんですが。

WUGはそういう"一見の価値アリ"のアニメだと思っていますし、俺がヤマカンに求めているのはまさしくそうしたアニメを作ってくれることなのかもしれません。

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これだけ書いといてなんですが、書ききれませんね。なんせシナリオや演出に関して全然触れてないですしね。まあ後はおいおい語っていこうと思います。できればワグナー(WUGのファンをそういうらしい)同士で直接話したり一緒に見たりもしたいですね。とりあえずCDやBDは全部買うつもりですし。

WUGに限らず目障り耳障りな発信をしていくかも知れませんが、今年もお付き合いして頂けると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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